スタンダードの裏の顔。
イタリアでニットの名産地の一つとして知られるブレシア。有名なところでは世界最古のニットメーカー「DRUMOHR」がスコットランドからイタリアに工場を移し、ブレシアで生産されている。
またマニアックなところだと「ANDREA FENZI」などもブレシアが拠点。ニットだけではなく、ソックスの生産地としても有名なので編み物が得意な地域なのだろう。
個人的にはブレシアと聞くと、当時ロベルト・バッジョがピルロからのロングフィードを美しい右足のトラップでオランダ代表のGK、ファン・デル・サールをひらりと躱しゴールを決めた、マニアックなあの名シーンを思い出す。
さて、今回ご紹介する「GALLIA」もブレシア製の新しいブランド。
ここのデザインをやっているマルコとはイタリア出張で会う度に挨拶を交わす顔見知り。以前は「MAC LAUREN」でもディレクションを担当していて、クラシックな雰囲気ながらモダンなニットアレンジが得意なベッカム似のイタリア人。
彼はウールだけにとどまらずナイロンなどの化繊を取り入れたり、少しレディースのニットにありそうなアレンジを加えたりするのもとても上手い。
今回のニットもウールにアルパカ、ナイロンを天竺編みで仕立てていてとても軽いのが特徴的。この保温性を保ちながら軽い、というのは着てみると尚更実感出来て嬉しい。全然ストレスにならない。
また、アルパカ特有のモケモケした柔らかい風合いは太めに入ったボーダーを適度にボヤけさせる良い役を担っている。
ブログのタイトルにもあるようにこのニットの最大のポイントは、編み地を裏表逆で使っていること。
本来であれば、このニットの表になっている方が裏で、裏になっている方を表に使う。それがスタンダードな天竺編みのニットの表情だ。
※通常表に使われる表情
しかし「GALLIA」はあえて裏を表にすることで、普通のニットには無いボーダーの見え方や、素材感を強調した何ともモダンなニットに仕上げたのだ。
※今回は裏側が表にに使われている。
また、商品ページにも書いたのだけれどアルパカの原毛は短いため生産中に糸が空中に舞い、意図せずに白い部分にネイビーが混じってしまうことがある。これも天然繊維だからこそ起きてしまう良いムラもこのニットの味の一つになっていると思う。
こういったちょっとした表情の違いが着用した時に引き立ち、より魅力的なスタイルにつながるので試して頂きたい。
ちなみに、175cm 68kgの僕が46でジャストサイズ。普段は48を着ることが多いので、いつものサイズより1サイズ下げて選ぶと良いと思う。
是非是非。