モードとクラシックの間にある大人の普段着。

モードとクラシックの間にある大人の普段着。

僕がBERWICHのクリエイティブアドバイザーという役を頂いたのが2020年の1月なので、早3年間もブランドやモデルの変遷を間近で見てきたことになる。

それ以前もバイヤーとしてのお付き合いがあったので6年程コレクションをチェックさせて頂いている。

 

かねてからとても器用なブランドで、パンツ専業のファクトリーらしい細かい修正が効くところや小回りの良さ、何よりもOEMとして様々なパンツを作ってきた経験値がBERWICHの基盤となっている。

 

そして、僕がクリエイティブアドバイザーになったタイミングで代理店であるアマンさんと共に、何か新しいモデルを作ろうというお話になり試行錯誤、サンプルのやり取りを何度も繰り返し誕生したのが”TOMY”だ。

 

BERWICH/TOMY VB1827

3年前からBERWICHといえば「SCOTCH」と言えるくらい、、2インプリーツでワイドな渡り幅から大胆なテーパードが特徴のキャロットシルエットのパンツがベストセラーだ。

ドレスパンツ市場は洋服好きには2プリーツのクラシックなドレスパンツやワイドパンツ。一般的にはノープリーツスリムがまだまだ需要が大きかった。

 

僕は数年前から気になっていた膝から下がストレートシルエットのパンツを今っぽくアレンジ出来ないか?というテーマを掲げて新モデルに着手した。

理由としてはモードの世界ではすでにフレアやベルボトム的な70’sな雰囲気やウエスタンムードが出ていて、それをクラシックに落とし込む事は難しいとしても、”クラシックとモードの間”まさに僕が好きで得意なアレンジが出来るのでは⁈と考えたからだ。

 

※これはリアル70’s


※これは数年前のコレクション画像

また、15年ほど前にもいくつかのイタリア、フランスのパンツブランドから”美脚パンツ”と呼ばれる膝下ストレートが出ていて、オヤジの脚を綺麗に見せると雑誌で特集されたりもしていた。

当時は股上が浅くて膝下ストレート、では今は?と考えると「適度な股上の深さ、自然な腰回しのゆとり〜膝から裾へ繋がる美しいライン」という流行という言葉を超えたモダンクラシックさが必要でサンプルのやり取りを始めた。

かれこれ1年半ほどかかって、ついに誕生した”TOMY”はまさに僕の理想としていた形。

BERWICH/TOMY VB1504

裾の仕上げは“SCOTCH”ならばノークッションで軽快にに、”TOMY”はハーフクッションを入れて艶やかに。

”TOMY”はより繊細に裾の長さを調整出来るように他のモデルに比べて股下を長く設定していて、裾口もシングルミシン叩きで仕上げている。

※仕上げはダブルがオススメ。裾に重さが出て綺麗に下に落ちる。

しっかりと差別化も出来て、BERWICHをたくさんお持ちの方にも新鮮な気分を味わって頂ける、また洋服を選ぶのが楽しくなる、そんなモデルになったと思う。

腰回りは2アウトプリーツ、ゆとりがあっても外に倒すと腰が膨らまない。プリーツが裾に落ちていくクリースラインが真っ直ぐ美しく見える。

ベルトループを付けたのもポイントで、ベルトの塩梅でコーディネートの幅が広がる。

BERWICH/TOMY DV1350

ディテールの一つ一つがしっかりと意味を持って織りなす大人の日常着。

WEARLNESSでもとうとうお取り扱いを始めました。

是非是非。