世代を越える逸品
コロナの前からBERWICHのTOMYの制作に取り掛かっていて、久しぶりにベルトループがあるパンツにどんなベルトをしようかなと思った時に、改めてエンジンターンドバックル(スライドバックル)のベルトが気になっていました。
それなりに色々と探したりしたのだけれど、なかなかこれだ、と思えるものに出会えず、ただベルトを今まで以上に慎重に、オシャレなアイテムとして捉える感覚に変化していて…
というのも、この頃はしばらくサイドアジャスターパンツばかり履いていてベルトをかなり軽視していた(汗)
最近では色々なブランドさんからエンジンターンドバックルベルトが作られているけれど
以前からどうしても気になるベルトがあって、しかし僕が今までお付き合いをしたことのないブランド、それもメンズドレス系のお店との関わりもあまりなさそうだったので、意を決してインスタに直接DMを送ったのが僕とRosaria Product さんとの出会い。
Tifany社のシルバー925のエンジンターンドバックルは1920’s 頃から生産をされているまさにラグジュアリーバックルのオリジン。
当時はレディースからメンズまでオーダーでイニシャルを入れたり幅が違っていたりとバックル1つ1つの個体を見てもそれぞれに様々な個性があります。
Rosaria Product の細野さんは元々時計ベルトをハンドメイドで製作する職人であり独立を機に何か自分ならではのことを。という流れでベルトの製作にも携わる様になったそうです。
Tiffany社のヴィンテージバックルだけで言えば、個人で集めることも出来るでしょうしベルトを作れる方も業者の方であれば容易かもしれません。
しかし、僕がRosaria Product さんの製品に惚れ込んだのはビンテージのバックルだけではなくてベルトとしての完成度や美しさ、そしてそのこだわりです。
まず、使用するレザーのクオリティの高さ。
世界最高峰のタンナーである、フランスのデュピュイ社のトリヨンクレマンスやアノネイ社のボックスカーフ
ヴォーバレニアなどなど、帯に使用するレザーの質感が群を抜いて素晴らしい。
約100年前から存在するシルバー925の美しいバックルに現存する最高峰のレザーをバックルに合わせて一本ずつ漉き微調整をおこない、着用する人に合わせて作られるベルトはもはや工芸品とも呼べるレベルだと感じました。
手間と時間がとても掛かる作業工程を、とても嬉しそうに話す細野さんを見れば仕上がりのクオリティに納得。
プロダクトとしても、温故知新というべきベルトはこの先何年、何十年、大袈裟かもしれませんが孫の代まで受け継ぎたい。そのぐらいの素晴らしさ・完成度に驚かされました。
モノに対して浮気性で飽き性の僕はあまり一生物という言葉は使いたくないのですがこのベルトには言わせてもらいます。
「一生モノです、なんなら世代を越えます」と。
11月18日にSalon de WEARLNESS でRosaria Product の細野さんをお迎えしてこの素晴らしいベルトのオーダー会を開催致します。
みなさま是非、一生愛せるベルトを作りにいらして下さい。