ANTOINIO PIO MELE×WEARLNESS

アントニオ氏のミラノのアトリエに訪れたのは昨年の1月で、僕が"WEARLNESS"を初めて3ヶ月ほどでのイタリア出張でのこと。日本人でミラノを拠点に様々な現地ブランドと仕事をしたり、カメラマンやアーティストとも交流のあるケンくんに紹介をしてもらったのがきっかけでした。アントニオ氏は靴のビスポークを受けたり、カバンやベルト・革小物に至るまで様々なオーダーを彼のアトリエで顧客に紹介しているいわばレザー製品のスペシャリストだ。そんな彼と僕をケンくんが繋いでくれたことから今回の別注企画が始まった。

 

 元々アントニオ氏の手掛けたシューズをBEAMS時代に代理店経由で取り扱ったことはあったのだけれど、彼自身が表に出てこなかったのでアトリエの存在やここまで器用に色々なアイテムを手がけていることを知らなかった。ミラノの中心部にあるアントニオ氏のアトリエは所狭しと彼の作品が並んでいる。恰幅の良い体格に綺麗に整えられた髭と白髪がなんとも貫禄を感じさせるが、実は僕よりも年下。。。仕立てのいいジャケットにノットをコンパクトに作った美しいタイドアップ、そしてシンプルなトラウザーズを合わせた決して派手では無いけれど品の良さが漂うスタイル。初対面ではお互いのお店のことを説明したり、彼の手がける様々なアイテムを紹介してもらった。彼は誰もが知るイタリアを代表するブランドや、フランスの世界一の革製品を扱うブランドとの仕事もしていて、その関係もありそこで使われる極上のレザーや副資材などを入手できるコネクションを持っている。また彼が製品を作る時に使う工房も基本的にはそういった仕事を受けているので、圧倒的に高品質な製品が作れるのだ。世界中に顧客を持つその類い稀なセンスと品質を見定める確かな選美眼、新時代の巨匠とも呼ぶべきアントニオ ピオ メーレ氏の作品を是非WEARLNESSで紹介したいという思いから生まれました。